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アトピー性皮膚炎
大人はストレスが原因になることも
アトピー性皮膚炎は、かゆみが強く、皮膚がカサカサしたり、発疹ができたところがザラザラして厚くなる、アレルギー性の皮膚炎です。
原因は、体質が影響しているといわれますが、なぜ症状が出るのかはわかっていません。子どものころから続いている人や、大人になってはじめてなる人もいます。
大人になってからなる場合、強いストレスがかかって発症する人もいます。そうしたケースの人が、仕事や生活の仕方を調整して治療を続けてら良くなったということがあります。
ですから、アトピー性皮膚炎の治療では、原因になっているアレルゲンを取り除くことも大切ですが、同時に、生活を見直して、疲労やストレスなどを溜めないことも大切です。
ステロイド薬を怖がらないで
治療には、必要に応じてステロイド薬を使います。一時期、副作用が騒がれたため、ステロイド薬を怖がる人もいますが、決して怖い薬ではありません。副作用の多くのケースは間違った使い方によるもので、適切に使えば効果が得られます。治らないからと治療をあせって、民間療法などをあれこれ試すよりも、落ち着いて医師の指示に従って治療を受けたほうがよくなるケースが多くあります。
メイクは軽めに、がおすすめ
日常生活では「清潔」と「保湿」が大切。からだを洗うときは、石けんを泡立て、手で優しく洗います。シャンプーやリンスが残ってかぶれているケースもあるので、十分にすすぎます。入浴後は保湿性の高いローションなどを塗り、医師の指示どおりに患部にステロイド薬等を塗ります。かゆみがひどいときは皮膚科医に相談しましょう。
マイクは外出時にはして、在宅時はしないなど工夫しましょう。メイクをすると、患部をいじらないなどのよさがあります。香料入りの化粧品は避け、皮膚に負担がかからない程度に、軽めにします。
ステロイド薬を悪玉にすることで1個何万円もする石けんを売ったり、温泉療法をすすめたりするアトピービジネスには、注意しましょう。
ドライスキン・オイリースキン
ドライやオイリーってどんな状態?
ドライスキンは、皮膚の角質層の水分が減ってしまった状態で、オイリースキンは、毛穴から分泌される脂が多い状態です。
ドライになりやすいのは、唇のまわり、ほお、目のまわり、すね、太ももの前など。女性は40歳を過ぎると水分と皮脂が減るので、年齢的な理由でドライになることもあります。
オイリーになりやすいのは、顔のTゾーン、小花の横、耳のまわり、耳の中、頭皮全体、Vネックの部分、背中などで、にきびができやすい場所とほぼ重なっています。弾性ホルモンが過剰の人は、いくら洗っても皮脂が多く、テカテカしています。
顔にミックススキンが多いわけ
顔の場合、目のまわりは皮膚が薄く、毛穴が開いていないため乾きがちです。一方、鼻の頭は毛穴が開いているため、オイリーニなりがちです。
これは皮脂腺の分布がそうなっているからで、顔は、ドライとオイリーのミックススキンになることが多いのです。
ドライ、オイリーそれぞれのケアを
ドライスキンの人は、洗い方に注意しましょう。汚れはゴシゴシこすって落とすのではなく、石けんの成分が落としてくれると考えて、泡立ててやさしく洗います。
入浴剤を使うのも、保湿効果があります。基礎化粧品は、夏はさっぱり系のローションを、冬は敏感肌用、乾燥肌用を使うなど、季節によってかえましょう。乾きやすいところには、保湿性の高いクリームを使うといいでしょう。
冬季は皮膚が乾燥してかゆくなりますが、かいてしまうと、皮脂欠乏性湿疹になることもあります。この湿疹は従来、老人に多かったのですが、最近は20代前半からでも見られるので注意しましょう。
ふとんに入るとかゆいなどというのは、ドライスキンが始まっているのかもしれません。入浴後すぐに保湿剤を塗りましょう。
オイリーな人は1日2回くらい洗顔をします。基礎化粧品はローション程度にします。乳液やクリームをつけすぎるとニキビになりやすいので、気をつけて。
水虫(白癬)
3タイプの水虫がある
白癬菌(皮膚糸状菌)というカビ(真菌)に感染して起こります。冬にも起こり、湿ったままの状態でいるとなりやすいため、最近はブーツなどの影響で感染する女性も増えています。指の間が赤くただれてかゆい「趾間びらん型」、小さい水疱がたくさんできて、かゆみが強い「小水泡型」皮膚が硬く厚くなり、ガサガサになってひび割れが起こる「角化型」の3タイプがあります。足だけでなく、爪、手、からだにもできます。爪や手の水虫は、足から感染するのがほとんどです。からだの水虫(ぜにたむし)は、ペットからうつることもあります。
かゆみがないタイプもあり、ほおっておくとどんどん進行します。水虫からばい菌が入るとリンパ管炎を起こし、入院するケースもあります。
市販薬を使わず早めに皮膚科へ
治療には抗真菌外用薬を使います。市販の薬を使って悪化するケースが少なくないので、早めに皮膚科を受診しましょう。
かゆみがなくなったからと薬を勝手にやめると再発するので、根気よく治療を続けることが大切です。足の爪の水虫の場合、状態によっては抗真菌内服薬を使うことがあります。
予防も治療も、毎日足をていねいに洗うことが大切です。洗った後、湿ったままにしないこと。靴の中も湿りますから、同じ靴を毎日はかず、はいている時間も、できるだけ短くしましょう。
足ふきタオルは家族と必ず別に。水泡をつぶしたり、皮をむくのは禁物です。
タコ
角質の一部が厚く硬くなったもの
皮膚の角質が、長期間こすれたり圧迫されて、一部が厚く、硬くなって盛り上がったのが「タコ」です。足の裏や足の指などに多く見られます。
痛みがなければ、そのまま放置していてもかまいません。気になれば、削ることもあります。サリチル酸入りの絆創膏を貼ると、角質がやわらかくなって削りやすくなりますが、やりすぎると痛むことがあります。
タコをつくらないためには、自分の足にぴったりフィットして、長時間歩いても疲れない靴を選びましょう。
つま先の細い靴やハイヒールは、タコやうおのめ外反母趾の原因になりやすいので注意が必要です。
うおの目
角質が盛り上がり、中央に芯がある
タコと同じように、皮膚の角質が長時間圧迫を受けるなどして、部分的に厚く、硬くなったものですが、魚の目は厚くなった皮膚の中央に、硬い芯があるのが、タコと違う点です。
芯が魚の目に似ているので「魚の目」といい、また鶏の目にも似ていることから、医学的には、「鶏眼」ともいいます。
足の裏や足の指の間に多くでき、芯が皮膚の真皮にくさび状に突き刺さるので、歩いたり押したりすると画鋲を踏んだように痛みます。原因の多くは、合わない靴をはくことです。
治療では、カミソリや針、ハサミなどで、芯を削ってくりぬきます。ただし、うおの目と思っていたら、ウイルス性のイボだったということもあるので、皮膚科で削ってもらったほうが安心です。
予防には、うおの目防止用のパットがあります。それを当てるとクッションになり、半年くらいでできなくなる人もいます。また、長い間、同じ靴を履き続けないことも予防策のひとつです。
粉瘤・ガングリオン
粉瘤は皮膚の袋の中に垢や脂がたまる
粉瘤は表皮が真皮内にめり込んだ形の袋の中に、垢や脂がたまったものです。皮膚のいたるところにできます。なぜできるかはわかっていませんが、体質的にできやすい人がいるようです。予防法はありません。
中身は白い粥状で悪臭があります。ふだんは自覚症状はありませんが、細菌感染すると赤く腫れ、痛みを伴います。徐々に大きくなるので、小さいうちに手術で取ります。腫れてしまった場合は切開して中身をだすことが先決で、根治手術は後になります。
ガングリオンは良性の腫瘤
ガングリオンは関節を包む組織(関節包)などが変形して袋状になり、そこにゼリー状の成分がたまる良性の腫瘤です。原因はわかっていません。
よくできるのは手首の甲側で、ふつう痛みはありませんが、神経が圧迫されると痛むことがあります。
治療法には圧して袋をつぶす方法などがありますが、再発も多いので、整形外科に相談しましょう。
イボ
ウイルス性の皮膚の盛り上がり
皮膚が盛り上がったものを総称してイボといいますが、何種類もあります。なかでもヒト乳頭腫ウイルスに感染してできるイボは、自分の中でも、他人にもうつることがあります。
イボは全身にできますが、手の指や足の裏、爪のまわりにできる「尋常性ゆうぜい」、顔などに多発する「青年性偏平ゆうぜい」、外陰部にできる「コンジローマ」などがあります。
ふつう痛みやかゆみはありません。治療にはサリチル酸を使ったり、液体窒素でイボを凍らせて除去する方法があります。こうした治療は、取れるまで何回かくり返す必要があるので、根気よく通院することが大切です。
汗かき・体臭
汗かきはエクリン汗腺の働きが活発
からだには、エクリン汗腺とアポクリン汗腺という2種類の汗腺があります。エクリン汗腺は全身に数百万あるといわれ、汗を出して体温の調節をする役目をしています。汗かきの人は、からだの代謝がよく、エクリン汗腺が活発に働いていると考えられます。
女性より男性のほうが汗かきなのは、男性ホルモンにエクリン汗腺の機能を高め、発汗を促す作用があるためです。
女性が月経前や更年期に汗をかきやすくなるのは、女性ホルモンのバランスが崩れ、自律神経に影響を与えるからです。
太った人が汗かきなのは、皮下脂肪が過剰な保温効果をもたらしているためと考えられます。
急に大汗をかき始めたら要注意
汗は体温調節という大事な役目をになっていますから、かかないと困りますが、汗でべたつくのは不快なものです。こまめにシャワーを浴びる、吸湿性のいい下着を着けてこまめにとりかえる、汗取りパットをわきの下につけるなど、対応策を考えましょう。
ただし、急に大汗をかくようになった場合は、甲状腺機能亢進症や自律神経失調症、糖尿病などの病気も考えられます。
動悸がしたり、頻脈や頭痛、眠れない、やせてきたなど、汗をかくことに他の症状を伴うようなときは、内科を受診してください。
いろいろなにおいを体臭と感じる
体臭は定義が難しいのですが、文字どおり「体のにおい」とすると、日本人は体臭が弱い人種です。しかし日常的には、汗や脂っぽい頭のにおい、口臭などが混ざって体臭を感じ、日本人はこうしたにおいに敏感です。
特に若い人たちは清潔志向が強く、自分の体臭を気にする人が多いようです。
人より体臭が強いと思わないで
できるだけ体臭を感じなくするには、汗をかいたらこまめに拭く、シャワーを浴びる、清潔な服に着替えることなどが基本です。肉類やにおいの強い食べ物を食べると、体臭が強くなることもあるようです。
また、人より体臭が強いと思い込まないことも大切。「体臭があるから嫌われている」と思うのは、心気症の可能性もあります。
わきが
アポクリン汗腺の分泌が多いのが原因
汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類がありますが、そのひとつ、アポクリン汗腺は、わきの下や陰部など、特定の部位にだけ分布しています。
そして尿素や脂肪酸、アンモニアなどがミックスした、においの強い成分の汗を、気温とは関係なく出します。その分泌が多くて、わきの下が不快になるのを「わきが」といいます。
アポクリン汗腺の分泌が多くなる原因はわかりませんが、わきがは遺伝的要素が強く、両親がわきがの場合は子どもの50%がわきがになるというデータがあります。また、アポクリン汗腺は毛穴の中に開いているので、毛深くて毛穴の数が多い人は、わきがになりやすい傾向にあります。
思春期に強く年齢とともに弱くなる
わきがは、性ホルモンの分泌と関係しており、性ホルモンの活動が盛んになる思春期に強くなり、年齢とともに弱くなります。
思春期に、家族などに「におうのでは?」などと言われたことで、自分がわきがだと思い込んでいる人もいます。
日本人でわきがの人はまれですから、強く思い込まないようにしましょう。
わきの下の清潔に気を配って
いちばんのわきが対策は、わきの下を清潔にすることです。汗をかいたらよくふき取ったり、こまめにシャワーをあびましょう。脱毛することでもにおいは抑えられます。
通気性のいい素材の服を着たり、市販の制汗剤スプレーを上手に使うのも方法です。
汗腺を切除する手術や、毛根を1本ずつ電気分解してアポクリン汗腺を破壊する手術もありますが、わきの下に傷跡が残ることもあるので、よく考えた方がいいでしょう。
巻き爪
きゅうくつな靴と深爪が原因
爪の縁が指の肉に食い込んで赤く腫れ、痛みます。ほとんどは足の親指に起こり、ひどくなると出血して、歩くのが困難になります。
L型の巻き爪はいちばん多く見られるタイプで、ハイヒールや、つま先の細い靴など、きゅうくつな靴をはいて圧迫されたり、深爪が原因で起こります。
肥厚型の多くは、爪の水虫が原因。ペディキュアで隠し、病院に行かずに悪化させることが少なくありません。他に、O型、n型など、先天的な爪の形の異常から起こる場合もあります。
くり返す人は皮膚科に相談を
一般的には、一度巻き爪になっても、靴を変えたり、爪の切り方を変えるとよくなります。
治療法には、爪が食い込む部分にビニールのチューブをかぶせたり、爪の下にガーゼや金属のプレートを入れたり、形状記憶の針金を用いて爪を矯正するなどの方法があります。炎症を起こして腫れている場合は、抗生物質や抗炎症剤を使用します。
くり返す人には、爪の両端を根元から切り取る手術がありますが、爪が細くなったり変形する事があるので、医師とよく相談してから検討しましょう。
またフェノール剤で爪が成長する部分を凝固し、爪が生えてこないようにするフェノール凝固療法が成果を上げていますが、再発の可能性もあります。
髪が抜ける
原因は頭皮が傷み、血行が悪くなること
ブラッシングやシャンプーをするときに、一日100本くらいの髪の毛が抜けるのは正常範囲ですが、まとめてバサッと抜けるのは、シャンプーが合わない、洗いすぎ、強いブラッシング、ドライヤーのあてすぎなどで頭皮が痛んでいたり、円形脱毛症になっていることが考えられます。
髪の毛をつくっているものは毛母細胞です。これは頭皮の毛細血管から栄養を摂取しているため、血行が悪くなると栄養が毛母細胞に行き届かず、毛根自体がやせ細ってしまいます。ですから抜けた毛の根元が細かったり、毛髪全体が細くなってきたときは、要注意です。タバコやストレス、偏食、急激なダイエットによる栄養不足は、その原因になります。
また、出産後に抜け毛が増えるのはホルモンのバランスが崩れるためで、徐々に回復します。
抜け毛を予防するケア
ドライヤーは熱風を遠くからあてる。できるだけ短時間に。
栄養バランスのよい食事を。ミネラル分を積極的にとる。
タバコは頭皮の血行を悪くし、栄養を行きにくくする。
ブラッシングはやさしく。パーマなどは十分間隔をあけて。
ぬるめのお風呂にゆっくり入るとストレスも軽くなる
頭皮マッサージを。洗髪時にも指の腹で頭皮をていねいに。
異常な抜け毛は皮膚科を受診
異常な抜け毛や、頭皮にかさぶたがついていたりするときは、脂漏性湿疹や、カビに感染していることもあるので、皮膚科へ。「円形脱毛症」の場合は、早い時期に病院へ行くことが大切です。原因には免疫異常とストレスのふたつがあります。
毛髪が薄いのがきになるときは、部分かつらを使うのも方法です。
白髪・ふけ症・切れ毛
メラニン色素がつくられないと白髪に
髪の毛をつくる毛母細胞の中には、色をつくり出すメラニン色素があります。それが、なんらかの原因でつくられなくなってしまうために、白髪になります。
年をとって白髪になるのは老化現象です。若くしてなるのは、遺伝的要素が強いようです。
また「しろなまず」という、皮膚の色が抜けて、白い斑点になる病気があり、その病気で頭皮の色素が白く抜けると白髪になります。原因はよくわかっていません。
よく「一夜にして白髪になる」などといわれますが、今、生えている毛のメラニン色素が抜けることはないので、そうしたことはありません。
白髪は予防したり、治療することはできませんが、気になればヘアカラーをする方法があります。
乾燥性のふけ症と脂性のふけ症
ふけは、頭皮からはがれ落ちる古い角質です。角質は表皮細胞が変化したもので、皮膚を乾燥や刺激から守っていますが、新しい角質ができると古い角質がはがれ落ちるのです。
ふけ症には、乾燥性と脂性があります。日焼け、過度のドライヤー、シャンプーのすすぎ残しなどで表皮が傷つくと、乾燥性のふけの原因になります。
一方、脂性のふけの多くは、脂漏性湿疹が原因です。また、洗髪が少ないと古い角質が取れないため、脂性のふけの原因になります。
乾燥性のふけの場合は、保湿効果が高く、刺激の少ないシャンプーを使うといいでしょう。脂性のふけの場合はきちんと洗髪をして、皮膚科に相談しましょう。
切れ毛の原因は髪の毛への強い刺激
毛髪に強い刺激を与えるとパサパサして、切れやすくなります。例えば強いブラッシング、シャンプーのしすぎ、ヘアカラーやパーマ、脱色剤などの成分、プールの塩素、ドライヤーの熱、風、日光(紫外線)などは、切れ毛の原因になります。
ですから、まずはできるだけ原因を避けること。そして、トリートメントをすれば、毛の表面にあるキューティクルがギュッとしまって、しっとりとした髪になります。
しかし、トリートメントだけでは髪は丈夫になりません。たんぱく質をとることや、また亜鉛不足は皮膚をカサカサにするので、海草などからミネラル分をとることも大事です。栄養バランスを崩すダイエットは、よくありません。
毛深い
体毛が濃くて多いのは体質的なこと
美容を気にして、腕やすねの毛が多い、濃いと、悩む女性が多いようですが、毛深いのは体質的なことです。ただ乳輪までにもぼうぼうと毛が生え、月経不順や無月経を伴うときは、多嚢胞性卵巣症候群のことがあるので、婦人科を受診しましょう。
むだ毛処理は前後にしっかり注意を
むだ毛処理には次の方法があります。毛の色を抜いてめだたなくする「脱毛」、カミソリで「剃る」毛抜きで1本ずつ「抜く」、ワックスやジェル状の脱毛剤を使って根元から「抜き取る」アルカリ剤で毛を溶かす「除毛」発毛を抑制する効果があるという「パパイヤの酵素剤を使う」。
ただ、どの方法にも一長一短があり、肌へのダメージは避けられないので、使用前のテストと、使用後の手入れを怠らないでください。
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