佐野市立犬伏小学校広報連載記事 @「たばこの害」 A「薬の正しい使い方」 B「薬物乱用の害」
犬伏小学校 学校薬剤師 徳島大学薬学修士 大山博行
大山漢方堂薬局 岡山大学医学博士 大山博行
3)最終回は、薬物乱用の害についてお話します。皆さんは、薬物って何だかわかりますか? たばこ、お酒、シンナー、覚せい剤などで、「やめたくても、やめられなくなるもの」です。そして、薬物は、私たちの心と体を傷つけ、将来の夢を実現することに、ブレーキをかける原因にもなるものです。小学生が、たばこを吸うと、脳の働きや体力が低下してしまいます。お酒を飲むと、やはり、アルコールの影響で、脳の働きが悪くなり、考えたり判断したりする力が低下し、運動能力も低下してしまいます。シンナーを吸うと、脳細胞が傷つき壊れて、もう元には戻らなくなってしまいます。これらの薬物の乱用を続けると、病気になったり、死んでしまうこともあります。だから、法律できびしく規制されているのです。では、なぜ、やめられなくなるのでしょう?それは、たばこ、お酒、シンナー、覚せい剤などには、強い依存性(習慣性)があり、やめたい気持ちを抑えることが難しくなってしまうからです。皆さんもいつか意外な人や方法でたばこやお酒をすすめられるかもしれません。薬物乱用は、「悪」です。友達、先輩などにさそわれても、きっぱり断りましょう!たとえ、どう思われても断る、逃げる、相談する勇気が大切です。あなたは、私たち家族、学校、社会にとって、かけがえのない人です。あなたの夢や希望を実現するために、精一杯自分を大事にしましょう。
2)今回は、薬の正しい使い方についてお話します。皆さんはお薬を飲んだことがありますね。どんな薬を飲んだことがありますか?お薬の使い方にもルールがあります。たとえば、交通ルールでは、車は左側通行、人は右側通行、赤信号は止まれ。これを守らないと事故につながります。同じように、お薬にもルールがありこれを守らないと事故につながります。まず、一番大事なのは、お薬は、医師、歯科医師、薬剤師の資格者から指示されたもの以外は飲んではいけません。ですから、皆さんは、お父さんやお母さん以外の知らない人から何か薬をもらったりすることは絶対してはいけないことです。つぎに、お薬の副作用ってどんなことかわかりますか?例えば、鼻炎の薬を飲むとクシャミ、鼻水などの症状は楽になりますが、人によっては眠くなったり、お口の中が乾いたりすることがあります。また、ある種類の咳を止めるお薬を飲むと便秘になる場合があります。これが、薬の副作用というもので、体に対して好ましくない作用が表れることを言います。この副作用は誰にでも表れるわけではありませんが、お薬を飲んでいて、いつもと体調が違うような時は、必ず、そのお薬をもらった医師、歯科医師、薬剤師にどんな状態なのか、お話してください。それから、お薬には、このお薬を飲んではいけない人、あらかじめ、お医者さんや、薬剤師さんに相談した方がよい人、というような注意事項もありますので、お薬について、少しでも不安なことがある場合は、必ず、かかりつけの医師、薬剤師に、ご相談してください。
1)今回は、タバコの害についてお話します。犬伏小学校は、全面禁煙となりました。非常によいことと思います。まず、タバコは20歳になるまで吸ってはいけません。でも好奇心から「吸ってみようぜ」などと隠れてタバコを吸っている人たちがいるわけですね。タバコはどうして体によくないのか、順に説明していきましょう。第一に、タバコの煙の中には、約2,000種類の有害物質が含まれています。その中で発ガン物質がなんと40種類も含まれているそうです。タバコのタールをマウスの背中に毎日塗っているとやがてそこにガンが発生することが実験の結果でわかっています。ガンの発生率も、喉頭ガンは何と吸わない人に比べて32.5倍も高い発生率を示し、肺がんも4.5倍で、タバコの通り道で非常に高く、さらに、いろいろな所でガンが発生しやすくなります。特に20歳までの体は、成長期にあり、この時期に、タバコを吸うと、大人より悪い影響がでます。さらに気をつけたいのがまわりで家の人が吸うタバコの煙も影響があるということです。これを受動喫煙(間接喫煙)といいますが、本人がタバコを吸わなくても、そばでいつも吸っている人がいると、2倍以上も肺がんになりやすいことがわかっています。また、タバコは軽い気持ちで、ちょっと吸ってみようといたずら半分に始めて止められなくなる依存性があります。このように未成年の頃からタバコを吸い始めると将来にわたって身体に害が現われていくことを覚えておいてください。
以上、犬伏小学校 学校薬剤師 大山博行
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