救起湯 (剤型:煎じ薬)
品名(効能・効果)
[救起湯]
気管支カタル、頭痛、眩暈、胸痞、嘔吐、咳嗽
処方(松鶴堂加減)
葛根 前胡 人参 大棗 木香 ◎枳実 ◎紫蘇子 半夏 茯苓 陳皮 生姜 甘草 当帰 地黄 芍薬
桔梗 川きゅう
<注>◎の生薬について
紫蘇子と紫蘇葉
成書(現在使われている書)では、参蘇飲の配合生薬は、「蘇葉」となっているが、古典では「紫蘇」とのみ記載されている。
・『本草網目』:蘇葉・蘇子の「主治」は、ほぼ同様。
・和田東郭:蘇葉より効が強いとして蘇子を多用。
枳実:「漢方処方の実際」による。
成書の多くは、「枳実」と記載。
原典(効能・効果)
[茯苓補心湯] (参蘇飲合四物湯)
(原典:婦人良方)
男婦血虚汗なく潮熱して顔色なく或は心虚して邪の為に傷られ吐血し或は心虚し面黄瘁五心煩熱して汗なく咳嗽し唾に血まじり、或は婦人心胸つかえソウ雑し、或は婦女の経水調わず吐血咳嗽し発熱口渇き喘急し胸痞え痰水を嘔吐し、或は婦人亡血過多或は気逆し心もだえ月水断えず、或は女子の血虚して潮熱し汗あるにもまたこれを用ゆ。
按ずるに血虚して胸跳り或は咳嗽し征仲し吐血し或は虚労潮熱或は労熱瘧の如く或は心気不足し面黄躰痩五心煩熱し咳嗽唾血し汗なく征仲ソウ雑、或は周身血斑いで或は産後の失血過多にして眩暈或は悪阻或は小産に用いて可なり。(『衆方規矩』)
[参蘇飲]:感冒、咳
(210処方適応症)
[四物湯]:皮膚が枯燥し、色つやの悪い体質で胃腸障害のない人の次の諸症:産後あるいは流産後の疲労回復、月経不順、冷え症、しもやけ、しみ、血の道症
(210処方適応症)
労熱瘧:詳細は、「参考事項」を参照。
処方解説
・人参は、滋養強壮の効があります。
・茯苓は、利水作用があります。
・人参と茯苓は組んで、弱った消化機能(脾胃)を治します。
・半夏と生姜は組んで、脾胃にの水毒を取り、人参・茯苓の働きに協力します。
・陳皮・木香・大棗は、健胃・整腸の効があります。
・枳実は、健胃作用があります。