特集：子宮がん

特集：子宮がん（不正出血が危険サイン）

特集：がんを考える（４）　がんの基礎知識-女性のがん（子宮がん）

３０～６０歳代の子宮がんの死亡率は減少しています。
　日本の子宮がん死亡者は、三十数年前には年間７.０００人もいましたが、
検診の普及と、女性のがん知識の向上により、年々減少し１９９５年には４.８６５人に減りました。
特に３０歳から６０歳代の減少が顕著です。
その後、５.０００人台に上りましたが、２００１年の死亡者は５.１９５人で横ばい状態が続いています。

子宮がんのうち子宮内膜にできるのを子宮体がん、
頸部にできるのを、子宮頸がんといいます。
日本では圧倒的に、子宮頸がんの割合が多かったのですが、
最近は、子宮体がんが増えて来て、
子宮がんのうち、子宮頸がんに対する、子宮体がんの割合が１０％ぐらいとなっています。

子宮頸がんの進み方
　子宮頸がんの進み方は、０期や、Ⅰ期のうちに治療すれば、ほとんど治りますが、
Ⅲ期、Ⅳ期と進むにつれて治りにくくなります。
特に注意したいのは、良く治る早期の頸がんは自覚症状があまりないことです。

　体がんは閉経後の人に多く、比較的早くから、大部分の人に不正出血などの症状が見られます。

●子宮頸がんの進み方
　０期　：がんが子宮頸部の上皮内に限られている時期
　Ⅰ期　：粘膜からさらに奥の組織に達しているとき
　Ⅱ期　：子宮頸部を超えてさらに周囲に広がりはじめているとき
　Ⅲ期　：骨盤まで達したり、膣の３分の２以上がおかされているとき
　Ⅳ期　：骨盤の外にまで飛び火しているとき

子宮がん＝不正出血は危険サイン！！！

子宮頸がんの検診
　子宮頸がんの一次検診は、子宮頸部を綿棒かヘラで軽くこすって検体を採取し、
ガラス盤に塗布して染色し、顕微鏡で調べます。これを細胞診といいます。
一次検診の結果、だいたい１００人に１人ぐらいが精密検査に回されます。

　精密検査はコルポスコープという拡大鏡で調べ、疑わしい組織を採って生検を行ないますが、
一次検診の受診者１.３００人につき　１人ぐらいの割合で子宮頸がんが発見されます。
最近は早期がんの割合が増えています。

子宮体がん検診
　子宮頸がんの一次検診を受けた人を対象に、問診などでハイリスク（高危険群）に該当する人に対して、
内膜から細胞を採取して細胞診を行ないます。
ハイリスクは、最近６ヶ月以内に不正出血を訴えたことのある人で、
５０歳以上・閉経以後・未妊婦で月経不規則のいずれかに当てはまる人、としています。

　細胞診の結果や臨床症状などを総合的に判断して、精密検査が必要かどうかを判定します。
子宮がん患者を、集検受診群と非受診群に別けて比較してみますと、
受診群の早期がんの割合が高く、５年生存率も高くなります。

治療は比較的簡単で、手術後の障害はほとんどありません。
がん組織はもろく、出血しやすい特徴があります。
激しい運動のあとなどには軽い出血が起こりやすいものです。
特に閉経後の不正出血は危険信号です。
また黄色、茶褐色、ピンク色のおりものにも注意し、
少しでもおかしいと思ったら、すぐに専門家に相談しましょう！

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