田七

 田七は、三七とも呼ばれ、ウコギ科のサンシチニンジン(Panax notoginseng F.H.CHEN)の根を用いる。雲南省から広西省の限られた地域に育成し、清の時代には既に栽培され珍重されていた。ベトナム戦争の際にはアメリカ軍が止血薬として使用したことから世界に知られることとなった。日本へ最初に紹介された時期は不明であるが、1956年のThe Japanese Journal of Pharmacologyには簡東緒により薬理作用の発表がなされている。
 人参と同属植物でありながら薬効には違いがあり、止血、肝障害、心疾患などに用いられ、駆お血剤、止血、補血の薬効があるため、あらゆる止血に用いてよいと言われている。
 また、中国の著明な伝統薬である片仔廣(肝障害治療薬)や雲南白薬(止血剤)の主薬として配合されている。


薬能

1.性味
 味は甘・微苦、性は温。

〔表1〕田七の薬能に関する古典の記述
《本草網目》 止血する、血を散らす、痛みを止める薬能がある。外傷による出血には粉末を塗布する。また、吐血、鼻出血、下血、血便、子宮出血、産後の出血、目の充血、打撲、傷の内出血など一切の血病を治す。

《玉楸薬解》営を和ませ止血する。脈を通しおを行らす。すべての鬱血を破り、吐血、鼻出血、子宮出血、外傷出血のいっさいの新血を止める。

《本草新編》止血する神薬である。どこからの出血であろうと、およそ出血するものは本品のみを用いて止められる。本品を補血、補気薬に加えるとさらに妙効が得られる。

《医学喪中参西録》お血を化すが新血は損なわないので、血を理えるまことに優れた品である。外用すれば金瘡(外傷、切り傷)をよく治し、粉末を傷口に塗布すればただちに血は止まり痛みは癒える。


2.薬能と主治
 あらゆる出血に対して外用、内服いずれでも効果があることが古典に記載されており、また西洋医学的に見れば止血とは相反すると考えられる駆お血の薬能をも同時に有することから、大変使用しやすい止血薬と言える。

3.禁忌
 妊婦は服用してはならない。

4.他の人参類生薬との比較
 人参層(Panax)生薬には、人参、西洋人参、竹節人参、田七などがあり、その薬能や用途にはそれぞれ特徴がある。〔表2〕


薬理と活性成分

1.循環器系
 循環器関連では、まず注目されるのが止血作用であり、小菅らによりその活性成分としてdencichineの単離が行われている。これとは逆に線溶活性の賦活作用や血小板凝集抑制作用も認められており、古典の記載にも見られる止血と駆お血という双方向への作用が確認されている。
 また、田七が近年、心疾患に用いられるようになり、臨床的にその効果が注目されていることから、心臓に対する作用の研究も行われ、冠状動脈の血流改善、心筋の酸素消費量の減少、虚血状態に対する心臓保護作用などが確認され、これは虚血性心疾患に対する有効性の一端を証明したものと言えよう。心疾患に作用する成分はフラボノイドとサポニンであると報告されている。

2.肝疾患
 田七には、肝細胞の保護作用と障害を受けた肝細胞の再生を促進する効果が確認されており、有効成分はサポニンであろうと考えられている。
 田七を主薬とする片仔廣は肝機能障害の良薬として有名である。
 
3.糖尿病
 田七は、実験的高血糖動物の血糖値を下げることが確認されており、その主な作用機序は、過剰な血中グルコースを肝臓へグリコーゲンとして蓄積することを促進するためで、活性成分はginsenoside Rgl などのサポニンであると考えられる。
 
4.抗酸化作用
 董らは、田七の経口投与において脳および血液のLPO(過酸化脂質)が顕著に減少し、同時にSOD活性が顕著に増強することを報告している。しかし、この作用は心臓、肝臓、肺では認められない。

5.抗腫瘍作用
 田七には、抗発癌プロモーター作用が報告されている。また、抗腫瘍性については、高濃度での田七がガン細胞の増殖を強く抑制するが、正常細胞に対する抑制は少ないことが少ないことが認められている。

臨床応用

1.田七の配合の中成薬
(1)片仔廣
 田七、麝香、牛黄、蛇胆など
 急慢性肝炎に効果があることから日本でも有名になり、非常に高価であるにもかかわらず個人輸入などで購入、使用されている。
(2)雲南白薬
 田七、鶏血藤、麝香、冰片、正淮山、草馬、獨定子、虫簍、披麻草など
 鎮痛、内出血・外傷出血に対する止血の特効薬として、胃潰瘍、婦人の出血、外傷、打撲などに、外用・内服薬として用いることができる。

2.田七とよく配合される生薬
(1)田七+白○
 両者に消炎、止血作用があり、その相須の働きで止血の効能が増強され、吐血、喀血、血尿、血便に用いる。また外傷による出血の治療効果は非常に優れている。





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〔表2〕人参との比較

人参(御種人参) Panax ginseng  甘、微苦、微温
●滋養強壮、大補元気(病弱、病中病後)
●補肺益脾 (気虚の呼吸困難、自汗、易疲労、食欲不振、慢性下痢)
●益陰生津(口渇、多汗、息切れ、消渇症)
●安神(虚による不眠、動悸、健忘、不安)

虚弱体質、病中病後、性機能低下、老人病、糖尿病、肝疾患、高脂血症、白血球減少症


西洋人参 Panax quinquefolium 苦、微甘、涼
●補気養陰、清火生津(熱病後の倦怠、口渇)
●補肺降火止咳(慢性の咳、呼吸困難、血痰)
●養胃生津(口渇、舌の乾き)

虚弱体質、呼吸器疾患(虚熱、喘息、喀血、血痰)、慢性疾患(燥咳、煩倦)、糖尿病、疲労倦怠感、口渇、舌燥、血便、肺結核

人参と西洋人参は共に補養薬として同様の作用があるが、人参は体を温めるため冷えを伴う虚弱状態に対して用い、西洋人参は逆に清熱的に働くので慢性炎症など熱感を伴った虚弱状態に使用される。


竹節人参 Panax japonica 甘、苦、温(平)
●散お止痛
●止血虚痰
●滋養強壮

健胃、解熱、鎮咳、虚痰

人参に比べて新陳代謝機能の賦活作用(滋養強壮作用)は劣るが、健胃、解熱、虚痰作用は勝るといわれている。


田七 Panax notoginseng 甘、微苦、温
●散お止血
●消腫定痛

喀血、吐血、血便、子宮出血、外傷出血、打撲による腫痛、胸腹の疝痛、肝障害、心疾患、高脂血症

熟田七(湯通しして乾燥)は人参と同様に滋養強壮にも使用されるが、生田七(そのまま乾燥)は人参とは使用疾患が異なり、止血、鎮痛、消炎の目的に珍重される。近年では心疾患、高脂血症、高血圧、肝疾患にも用いられる。



(2)田七+花蕊石
 両者はいずれもお血を消除して止血する薬能をもつもで、お血による出血(吐血、喀血、子宮出血、血便、血尿など)に用いる。

(3)田七+茜草
 田七の駆お血、止血作用と茜草の清血熱、止血作用により、吐血、喀血、お血による斑点に対し常に藕節、白茅根と配合して用いられる。
(4)田七+血竭
 田七に収斂止血作用のある血竭を加えることで外傷における消腫定痛と要薬となり、外傷、打撲、捻挫などに優れた効果を示す。

(5)田七+五味子+桂皮+芍薬
 子宮出血、月経過多で紫黒色の血塊が混じるときに用いる。

3.臨床応用
「一切の出血を止める」という古典の記載に見られるように、外傷出血だけでなく診療科(眼科、産婦人科、消化器系、循環器系、血液疾患)を問わず大変広範な出血に対して使用され、良好な成績が報告されている。
 近年では、古典の記載にはない心疾患、肝疾患、高脂血症などにも用いられ、良好な成績が得られている。特に心疾患では、虚血性心疾患、狭心症、心筋梗塞などに用いられる。また肝疾患に対しては、田七を主薬とした片仔廣が有名であが、最近では田七単味でも用いられている。
 また、前立腺肥大や慢性関節リウマチの関節痛などにも有効なことは、田七の消炎、鎮痛の薬能から考えれば当然かもしれない。
 薬用量としては、慢性疾患の治療に1〜3g/日前後が使用されることが多く、急性疾患の発作の際には頓服的にこれより多く用いられ、予防を兼ねて常用する場合には少量が用いられる。公表されている文献からの調査では、田七に関しては日中間の薬用量の差はほとんどないと考えられる。
 つぎに、報告されている症例を疾患別にまとめたので、参考にしたい。


(1)循環器系疾患

     疾患     1日量     併用薬など

1 高脂血症  2〜3g      中成薬
2 高脂血症
3 狭心症    2〜3g
4 狭心症発作
5 冠状動脈性疾患  1〜3g  早期改善のために理気剤や血管拡張剤の併用が望ましい。
6 急性心筋梗塞 2g       生脈散なそ随証的に投与
7 急性脳卒中 5〜10g     
8 脳血栓    治療 4g
           予防1.5〜2g


1.陳県祺;中医雑誌、35(2) 70-71 (1994)
2.彭悦;中薬通報、8(1) 41-44 (1983)
3.4. 張健軍 他; 中医雑誌、35(1)、5(1994)
5.黄国維;中医雑誌、35(4)、198(1994)
6.李玉林;中医雑誌、35(1)、5(1994)
7.華波;中医雑誌、35(1)、6(1994)
8.呉道栄;中医雑誌、35(2)、69(1994)



(2)消化器系疾患

   疾患       1日量        併用薬など

1 ウィルス性肝炎         茵ちん蒿湯
2 肝炎
3 慢性肝炎     3g      補中益気湯
4 潰瘍性大腸炎  1.5g     半夏瀉心湯、抑肝散
5 潰瘍性大腸炎           芍薬六君子湯加黄連黄○
6 上部消化管出血
7 上部消化管出血        三黄瀉心湯加減(+田七、当帰、側柏葉、降香、五倍子、鳥薬、血余炭、茜草)
8 胆道出血     6g 


1.陶文生 他;中医雑誌、35(2)、71(1994)
2.呉照平;中薬通報、13(9)、560-562(1998)
3.三宅祥三;日本東洋医学雑誌、46(6)、73(1996)
4.河合和則;現代東洋医学臨時増刊 難病・難症の漢方治療第5集、131-13434(1992)
4.原敬二郎;現代東洋医学臨時増刊 難病・難症の漢方治療第4集、158(1991)
5.柴田良治;現代東洋医学臨時増刊 難病・難症の漢方治療第2集、49-51(1989
6.趙絳波 他;中医雑誌、35(3)、135(1994)
7.呉照平;中薬通報、13(9)、560-562(1988)
8.王徳君 他;中医雑誌、35(4)、197(1994)

(3)産婦人科疾患

   疾患      1日量
1 子宮出血
2 子宮出血    3g
3 産後の子宮収縮不全 3〜6g


1.桃石安;中医雑誌、35(1)、6(1994)
2.松宮光伸;漢方の臨床、28(3)、152-155(1981)
3.橋本行生;漢方の臨床、29(3)、166-169(1982)


(4)泌尿器系疾患

    疾患     1日量    併用薬など
1 前立腺肥大  1g      西洋人参
2 慢性腎盂腎炎 8g    
3 血尿       1g     頓服

1.林祖賢;中医雑誌;35(4)、199(1994)
2.趙維洪 他;中医雑誌、35(4)、199(1994)
3.平木陽一 他;漢方の臨床、36(2)、542-463(1989)

(5)血液疾患

    疾患  1日量  併用薬など
1 血友病  1g
2 再生不良性貧血
3 再生不良性貧血
4 特発生血小板    七物降下湯
  減少性紫斑病

1.稲垣稔;現代東洋医学、15(2)188-192(1994)
2.柴田良治;現代東洋医学臨時増刊 難病・難症の漢方治療第5集、153-157(1992)
3.王徳君 他;中医雑誌、35(4)、197(1994)

(6)眼底出血
   疾患               併用薬など
1 老人性黄斑部変性症     防風通聖散、黄連解毒湯、葛根湯など
2 ベーチェット病          洗肝明目湯、桂枝茯苓丸、治打撲一方

1.山本昇吾;日本東洋医学雑誌、35(4)、145(1985)
 竹田真;現代東洋医学、14(3)、331-334(1993)
2.山本昇吾;現代東洋医学臨時増刊 難病・難症の漢方治療第3集、90-92(1990)
 砂原茂一監修;臨床薬物治療学大系(20)和漢医薬学、223、情報開発研究所(1987)

(7)その他

    疾患     1日量
1 浮腫    3g
2 関節痛
3 疣      4g
4 嘔吐・頭痛・眩暈  10g(煎剤)
5 外傷
6 下腿部赤褐色斑   3g

1.2.陸拯;中医雑誌、35(3)、133(1994)
3.毛春学;中医雑誌、35(3)、134(1994)
4.尹文諸 他;中医雑誌、35(3)、135(1994)
5.橋本行生;漢方の臨床、29(3)、166-169(1982)
6.緒方玄芳;漢方の臨床、34(4)、216(1987)







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特集:田七人参




田七人参
  生薬の宝庫、雲南・四川
   自然を利用した人工栽培地
 日本の国土の約26倍、広大な面積を有している中国には昔から東洋医学では絶対に欠かせない漢方薬の原料、つまり草根木皮を主体とした生薬がたくさん各地に自生しています。
 もともと、中国の漢方薬は揚子江のほとりで発達したものですが、近ごろでは日本をはじめ、世界的な漢方ブームの影響などもあって、生薬の人工栽培が盛んに行なわれ、今では中国の重要な輸出産業の1つに数えられるほどになっています。
 現在、生薬の人工栽培は、栽培条件に最も適しているといわれている中国・華南地方の四川省、雲南省あたりで最も盛んに行なわれています。
 とくに雲南では、朴仲、茯苓、天麻、三七など重要な生薬を産出するほか、中国のお茶の中でも最も風味のすぐれたお茶として人びとに愛飲されている普じ茶(ふじちゃ)の産地としても知られています。
 日本人に馴染みの深い雲南茶もこの地方の特産で雲南は漢方薬やお茶のふるさととして今、世界中の人びとから注目されていますが、その中でも最も高価で貴重なものの一つに「三七」があります。
 三七は、中国の人びとにとっても最も貴重な存在であるからです。
 それでは三七とは一体どんな性状をもち、どのような病気に効果があるのでしょうか。三七について調べてみましょう。

  現代病の”救世主”田七
   朝鮮人参をしのぐ数々の効能
 三七-、ちょっとおかしな名前ですが、三七の由来は根が育つのに三年から七年もかかるとしうことから、三七という呼び名が付いたといわれていますが、一般には「田七」とか、三七ができる産地名を入れて「雲南田七」あるいは、止血効果が非常に高いことから”漆のように傷口を癒合する”つまり「山漆」とも言われています。
 漢方薬の古典の一つ『本草網目』には、山漆と記されています。また、中国の人びとはこの三七のことを、金に換えられない貴重な秘薬として、別名“金不換”の名で貴重品扱いしているところもあります。が、しかしここでは「田七」という呼称をもって、その秘められた効能効果を探っていきたいと思います。
 まず、田七の特徴をみてみますと田七はウコギ科の人参科に属する多年生草木で、人参の薬とよく似ているところから、“参三七”と呼ばれることもあります。
 主産地は雲南省東南部の文山県よび西疇で、その他に広西壮族自治区の靖西、四川省、チベットの一部でも栽培されていますが、四川省や湖北省、湖西省などでは、野生の田七を産出しているところもあります。
 しかし、田七の約85%は、年間降雨量の多い文山県で産出され、この地が田七を栽培するのに最も気候や土壊が適しているからだといわれています。
 文山県での栽培は、すでに三百有余年の歴史をもっていますが、最近の漢方ブームの影響で、田七の栽培が盛んになっているということです。ところが、やっかいなことに、田七を植えて七年後に収穫したあとの土地は、その後十年間は休耕しなければならないほどの痩せ方であるといわれ、田七がいかにまわりの土壌の養分を吸い上げてしまうかがお分かりになると思います
 これは、私たちにも馴染みが深い朝鮮人参の場合とよく似たところがありますが、田七の場合は人参と酷似しているのは葉だけであり、ほかは葉の肉も厚く、支岐は細くて茎は赤りょう色、夏と秋に黄色い花をつけます。花は香りがなく、花びらを落としたあとに曲がったかわいいつぼみ状のタネをつけ、いかにもかれんな野菊といった風情をただよわせます。
 しかし、根をみますと、可憐な花とは対照的に、ゴツゴツとした形をし、その味は甘くて渋味をもっています。

  “金不換”の貴重薬・でんしち
    根・茎・葉すべてに薬効あり
 ここで、田七が漢方薬の中でどのような位置をしめているか、本草網目の中から、田七の素性を洗ってみましょう。(注・本草網目の中では、田七のことを山漆と記し、同書の草部第十二巻、山漆網目でのべています。)
    釋名 山漆(網目)金不換、時珍曰く彼の地の者は、葉が左に三枚、右に四枚あるから三七と名付けるといふが、おそらくはさうではあるまい。或いは本名は山漆といふので、そのものが能く全瘡を合することが漆の物を粘着するやうだといふ意味だともいふ。この説の方が首肯すべきに近い。金不換といふのは貴重なるものといふ名稱である。
    集解 時珍曰く、廣西、南丹諸川の番とう(ばんとう)の深山中に生じ、根を採って暴乾する。黄黒色のかたまり付いたもので、形状はほぼ百及に似て、長きものは○い乾地黄のやうで節があり、味は微し甘く、頗る人参の味に似ている。或いは末を猪血の中へ○ってみて、血が化して水となるものならば真物だともいふ。
 近頃中國に傅はった一種の草に、春苗が生えて夏三四尺の高さになり葉は菊艾に似て勁く厚く、岐尖があり、莖には赤い稜角があり、夏、秋に黄色の花を開いて、(しん)は金絲の盤紐のやうで可愛く、香気はない。乾けば苦賣の(いと)のやうな(いと)を吐き、根葉の
味は甘く、金瘡、折傷の出血、及び上、下の血病を治するに甚だ有効なものがある。
 これを三七といふのだが、しかしこの草は根の太さが牛蒡の根ほどあって、南方から来るのとは類似していない。恐らく劉寄奴の属のものらしい。甚だ繁殖し易いものだ。
 田七を漢方の生薬として利用する場合、普通は根の部分がありますが、本草網目にはまず「根」の部分の薬効について次のように記しています。
 《根》
 気味--甘く微し苦く、温にして毒なし。
 主治--血を止め、血を散じ、痛を鎮める。金属の刃物、○の傷、跌撲、杖瘡の出血の止まぬには、噛み爛して塗り、或いは末にして(ふ)ればその血は直ちに止まる。
 また、吐血、衂血、下血、血痢、崩中、經水不正、産後の悪血不下、血運、血痛、赤目、廱腫、虎咬、蛇傷の諸病にも主○がある。
 発明‐‐時珍曰く、この薬は近頃始めて世に現はれたもので、南方番地の者は戦場で金瘡の要薬として用いる、奇○があるといふ。叉、凡そ杖刑で撲たれた傷損の?血が淋溜と流れるには、その場で噛み爛して罨へば直ちに止まり、青く腫れたものは直ちに消散する。
 杖刑を受ける前に○め十二銭を服すれば血が衝心しない。杖を受けた後には必ず服ますべきものだ。産後に服すしても効果を擧げるといふ。一體この薬は気の温であり、味は甘く微し苦いもので、陽明、○陰の血分の薬なのだから、能く一切の血病を治することは麒麟竭、紫○と同様である。
 附方--
〔吐血、○血〕山漆一銭を自ら噛んで米湯で送下する。或いは五分を八核湯に加へる。
〔赤痢、血痢〕三七三銭を研末して米?水で調べて服用すれば直ちに癒える。
〔大腸下血〕三七ろ研末して一二銭を淡白酒で調べて服す。三服位で癒える。五分を四物湯に入れて用いるもよし。
〔婦人の血崩〕方は上に同じ。
〔産後の多血〕山漆を研末して一銭を米湯で服す。
〔男子、婦人の赤眼〕十分重きものには、山漆根の磨汁を四圍に塗るが甚だ妙である。
〔無名廱腫〕疼痛の止まぬには、山漆を磨って米醋で調べて塗れば直ちに散ずる。己に破れたものは,研末を乾して塗る。
〔虎、蛇の咬傷〕山漆を研末して三銭を米飲で服し、同時に噛んで塗る。
 《葉》
主治−‐折傷、跌撲の出血に傳ければ直ちに止まる。青腫は一夜經過すれば散る。その他の功用は根と同様である。



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